Luxology社の Brad Peebler社長から本日 modoユーザー宛に送られてきたメールによると、modo 401はこれから数日のうちにリリースされるようだ。前回に引き続き、modo 401を性格づける機能の紹介と、製品候補版の使用経験に基づいた感想などをレポートしよう。
...ところで、実は私は0歳児の娘とともに風邪をひいてしまい、ここ1週間ほど、ほとんど Macに触れない状態だった。まだ治りきってないこともあり、今回は短めの内容でご勘弁願いたい。(なお、インフルエンザ検査は陰性でした)
- プリセットブラウザ
(マテリアル、メッシュ、リグ、プロファイル (断面形状) などの部品化)
- ファー (ヘアー)
- リプリケーター
- レンダリングの高速化と表現力の向上
- モデリングツールの強化
(プロファイル、ペンツールの壁作成モード、リトポロジー)
- アニメーション機能の強化 (リギング)
- その他
・ペイント機能の改良
・File I/Oツールキットの強化とインポーター/エクスポーターの改良
・64ビット対応 (6月リリース時点では Windows版のみ、Mac版は現在開発中) など
その1を掲載後、「その他」に書いたことは、Luxologyや Marsのサイトの modo 401 partially revealedで紹介されていないことに気づいた。今回はここから解説しよう。
ペイント機能の改良
3Dペイントも忘れられてはいない。地味ながらも実用的な改良が施されている。
- イメージシーケンスにペイントできるようになった
- バックドロップアイテムにペイントできるようになった
- UVのつなぎ目で、従来よりもつなぎ目が目立たなくペイントできるようになった。イメージベースのスカルプトも同様の改良が施されている
- UV以外のプロジェクション法を使っているテクスチャーにもペイントできるようになった
- 画像インクに Auto Scale (自動スケール) オプションがついた。ペイントしながら 3Dビューポートを拡大/縮小すると、画像インクも合わせてスケーリングされる。これにより、オブジェクト上に常に同じサイズでペイントできるようになった。
File I/Oツールキットの強化とインポーター/エクスポーターの改良
インポーター/エクスポーター (主要なもの)
- COLLADA形式のインポート/エクスポートができるようになった。アニメーションもサポートされている
- Autodesk FBX形式のインポーター/エクスポーターが、Autodeskの最新のSDKバージョン (2009.3) を使用したものにアップデートされた
- Windows Media (WMV) ムービー形式でのエクスポートができるようになった (modo 401 Windows版のみ)
- TIFF、BMP、RGB、OBJ形式のローダーが一新された
File I/Oツールキット (主要なもの)
- APIの追加と一部APIの改良
- サンプルコードの追加
Luxology社では、modo 302のリリース後、File I/Oツールキットとインポーター/エクスポーターを専門で担当するエンジニアを採用した。このエンジニアはこの分野での経験が豊富なようで、modo 401では、画像ファイルの読み込み速度などもはっきりと向上しているそうだ。
なお、残念なことに、 大きな画面サイズのレンダリングをレイヤー付きPSDファイルとして保存するときの問題は、バグリストには載っているものの、いまだ解決には至っていないようだ。
64ビット対応 (6月リリース時点では Windows版のみ、Mac版は現在開発中)
Windows版
modo 401の Windows版では、従来までの 32ビット版に加え、64ビット版もリリースされる。これによる一番の利点は、いままでメモリー不足でレンダリングできなかったシーンがレンダリングできるようになることだろう。
現在の modo 302は、32ビット版アプリケーションのため、Windows上では最大で3GB前後のメモリーしか使用できない。たとえPCに RAMを 8GB搭載していても、modo 302ではそれを使い切ることができなかった。modo 401の 64ビット版なら、Windows Vista上で 8TBのメモリーが使用できる。これは、32ビット版の上限の約2,700倍の大きさとなり、事実上、メモリーの上限がなくなったといってよい。なお、Windowsでは、仮想メモリーというしくみが組み込まれているため、搭載しているRAMの量を超えたメモリーを使用できる。
Mac OS X版
modo 401の Mac OS X版では、従来までの 32ビット版のみがリリースされる。そのため、modo 401が Mac OS X上で使用できるメモリーの上限はいままで通り 4GBとなる。現在 Luxologyでは、Mac OS Xで動作する 64ビット版の開発を進めているが、まだベータテストも始まっていない状況であり、リリース時期は未定だ。
modo 401のレンダラーでは、ファーやフォトンマッピングによるコースティクス表現といったメモリーを大量に消費する新機能が加わっているので、大きなサイズでのレンダリングでは、4GBのメモリー上限のままではますます厳しくなるのではないだろうか? 実際、ベータテスターの中でも、modoによる制作環境を Windows環境へ切り替えた人もいる (Intelベースの Macでは、Boot Campを使って、Windows環境をインストールできる)
私も含めた数名のベータテスターからは、「Mac OS Xでは、コマンドラインベースのレンダリング機能 (Windows版でいう modo_cl.exeのようなもの) だけでも 64ビット化して、すぐにリリースしてはどうか?」といった提案をしているが、特に進展がみられないのが現状だ。Mac OS Xの場合、コマンドラインベースのアプリの 64ビット化は、GUIベースのアプリの 64ビット化と比べてはるかに簡単なため、このような提案をしているわけだが、Luxologyでは、modoの一部だけを 64ビット化することは視野に入れていないように思われる。
なお、64ビット版の Mac OS Xアプリでは、16EB (エクサバイト) のメモリーが使用できる。これは 32ビット版アプリでの上限の40億倍を越える大きさだ。もちろん Mac OS Xでも仮想メモリーが組み込まれており、搭載しているRAMの量を超えるメモリーを使用できる。
プレビューレンダーの高速化
modo 401では、プレビューレンダーが大幅に高速化されており、屋外シーンのような単純なライティングなら瞬時にプレビューが表示される。前回、SolidWorks社と Bentley社への OEM提供の話を書いたが、プレビューの高速化も、彼らからの強い要望で実現したそうだ。5月22日にデモンストレーションを拝見したときにも、営業のかたが、自分で実際に modo 401を使っていて本当に助かる機能だと絶賛されていたほど強力な機能改善だ。
が、私はベータテストを通じて、この速さを実感できないというもやもやに包まれていた。そこで、この記事を書くために少し調べたところ、驚くべきことが分かった。
8コアマシンでは、modo 401のプレビューレンダーは、modo 302のプレビューレンダーより遅いのだ。
その理由はこうだ。modo 401のプレビューレンダーでは、レンダリングを始める前の下ごしらえステップが追加されたようだ。この下ごしらえに時間をかけた分、その後のレンダリングが加速され、全体としてのレンダリング時間が短縮されるしくみになっているのだろう。
問題は、この下ごしらえが、シングルスレッドというか、1つの CPUコアでしか動いていないことだ。私が使っている Mac Pro 2008年モデルでは CPUコアが合計で8つ装備されているので、この下ごしらえ期間中は、下ごしらえに参加していない7つのコアが、何もできず待たされていることになる。
一方、modo 302では、下ごしらえなしで、8つのコアが仕事にとりかかる。コア数が少ないマシンでは下ごしらえが効くが、コア数の多いマシンでは、コア数の多さにまかせて力技でレンダリングしたほうが、結果として時間が短縮できるようだ。
そういえば営業さんのマシンはデュアルコア (2コア) だったので速さが実感できたのだろう。
ここまで書いて、一通り家事と育児をこなしてから体温を測ったところ、いつの間にか発熱してしまっていた (37.9度) さっきまで平熱だったのに...。申し訳ないが続きは modo 401のリリース後、風邪が治ってから書くことにしよう。

















